ざっくりFAQ

Q
納税証明書「その1」と「法人税の納税証明書」は同じ?
A

同じではありません。記事内でも「納税証明書(その1)と法人税の納税証明書はもちろん別物」と明記しています。また、e-Taxの受信通知で代替できる場合/できない場合もあるため、「この申請で何を求められているのか」を特定する必要があります。

Q
e-Taxで代理請求すると受取は電子だけ?窓口もある?
A

電子だけとは限りません。記事では受け取り方法は状況に応じて「電子データ/郵送/窓口受取 など」としています。
また、「電子証明書なしの“署名省略分”」という方法もあります。これは「委任状を税務署窓口へ持参」し、「交付(窓口受取になる運用を前提)」と書いているので、窓口受取が前提になるケースがあります。

Q
都税の証明手数料はキャッシュレスで払える?
A

払えます。記事では都税側は証明書手数料の支払いで「キャッシュレス(クレカ等)」が使え、具体例として「クレジットカードやPayPay」が挙げられています。

Q
どの年度の証明が必要か分からないときの確認方法は?
A

記事の趣旨としては、まず「この申請で何を求められているのか」を確認し、申請先・指定税目を必ず確認する、という流れです。
年度については、この記事内で「決算月を過ぎたばかりだと前期の納税証明書が出てこないこともある。その場合は前々期の決算でも問題ないかを確認する必要がある」と書いています。つまり、提出先(申請先)の要件として“何年度が必要か/前々期でも可か”を確認するのが回答になります。

許認可系の業務をやっていると、お客様の納税証明書が必要になることが多々あります。ところが行政書士試験も、登録後の研修も、こうした書類の取り方をほとんど教えてくれるものではありません。(もともと税務の知識があったり、資格の学校に通っていて実務研修を受けたりすれば得られる知識なのかもしれませんが…) 

分からない場合はプロに聞けば良い、ということで税務署や都税事務所の窓口に質問することもできますが、少なくとも東京国税局管内では令和8年5月1日から、税務署窓口での納税証明書受付が9:00〜15:00に変わり、確実にオンラインでの対応を求めてきています。 
世はまさに大デジタル時代。窓口前提で動くのは、これからますます難しくなります。 

行政書士のデジタル化、私はついエンジニアの経験から「デジタルツールを活用する」という記事を書きがちですが、本来はもっと地味なところで必要になるものです。 
人間が待ったり動いたりする時間を減らして、クライアントとのやり取りをスムーズにする。これが一番わかりやすいデジタル化のもたらす力だと思っています。 

1. 納税証明書は「国税」と「地方税」で窓口が違う

納税証明書と一言で言っても、扱っている先が異なる場合があることに注意です。 
納税証明書(その1)と法人税の納税証明書はもちろん別物だし、申請種類によってはe-taxの受信通知で代替OKな場合とNGな場合がありますから、「今、この申請で何を求められているのか」を正しく認識する必要があります。 

法人税・消費税・源泉 → 税務署(国税)

  •  法人税、消費税、源泉所得税など。e-Tax(WEB版)で交付請求できます。窓口なら収入証紙・収入印紙か現金、オンラインならキャッシュレス(クレカ等)も使えます。 

法人事業税 → 都税事務所(都税)

  •  典型が法人事業税(+特別法人事業税等)。東京都内だと窓口でも証明書手数料の支払いでキャッシュレス(クレカ等)が使えます。地元岡山の県税事務所に行ったことがなく、全体的にそうなっているとは言えません。(ぜひ皆さんの地域の窓口がキャッシュレス対応か教えてください)
  • どうして法人事業税は地方税なのかをAIで問うてみたところ、「法人事業税は”会社がその地域で事業をして、道路・消防・警察・インフラなど地域のサービスを使って利益を出す”ので、その費用をその地域に払う、という考え方が強い税金」だからだそうです。 

決算月を過ぎたばかりで申請をする場合だと、前期の決算が終わっておらず、納税証明書も出ていないという状況が生まれます。この場合は前々期の決算でも問題ないかを確認する必要も出てきます。 
「納税証明書ください」だけだと、種類・税目・年度で迷子になってしまう、ということがお分かりかと思います。 

2. 委任状で納税証明書を代理取得する手順(紙)

委任状の書き方(誰が何を書くか)

クライアントの自筆が必要な個所が「すべて」だったり「氏名欄だけ」だったり、押印が必要だったりそうでなかったりと、窓口によって異なります。 クライアントの管轄の行政庁のテンプレートを見るのが一番安全です。 

  • 行政書士側で、代理人欄・委任事項の内容を確認する 
  • クライアントに委任者欄等の必要な事項を書いてもらう 
  • 返送方法(原本郵送/来所時サインなど)を最初に決めて、やり取りを最短化 

クライアントに書いてもらう情報を鉛筆で書いて後から消したり、付箋で貼って後から剥がしたり、という方法もありますが、 
せっかく行政庁がPDFでWEBサイトにアップロードしてくれているので、自筆が必要でない部分以外はデータをこちらで入れて印刷し、クライアントが署名押印するだけの状態にできるとスムーズだと感じています。 

あとはこの委任状をもって、都税事務所や税務署の窓口を行ったり来たりすれば何とか納税証明書は得られるはずです。 

3. e-Taxで代理請求する2パターン(電子証明書あり/なし)

しかし、そもそも「紙の委任状」という選択肢をやめてほしい、オンライン申請してほしい…という圧を国税庁のHPの至るところで感じます。 
オンラインの仕組みはできているけど、とにかく馴染みがなくて分かりづらいから窓口に行った方が早く感じてしまう。そんな皆様と行政の橋渡しをする役割というのが、本来の「行政書士のデジタル社会への対応」というものにあたります。 

オンラインで納税証明書の取得をする場合の方法は、大きく下記の2パターンに分かれます。 

パターンA:電子証明書がある(オンライン完結寄り) 

  • 【前提】クライアント側で電子証明書(マイナンバーカード等)を使える 
  • クライアントが「電子委任状(納税証明用)」を作成 
  • 代理人(行政書士)が e-Tax で納税証明書の交付請求 
  • 交付(受け取り方法は状況に応じて:電子データ/郵送/窓口受取 など) 

パターンB:電子証明書がない(委任状を窓口に持参する“署名省略分”) 

  • 【前提】クライアントが電子証明書を用意できない/使わない 
  • 代理人(行政書士)が e-Tax で 納税証明書の交付請求(署名省略分) を作成 
  • 紙の委任状を準備 
  • 代理人(行政書士)が 委任状を税務署窓口へ持参(署名省略分の手続として扱う) 
  • 交付(窓口受取になる運用を前提に段取り) 

このような形で、税務署で取得できる納税証明書は、e-Tax(WEB版)で代理交付請求できます。 
ちなみに、あまりないとは思いますが反復継続して行わないようにしましょう。有償無償を問わず、税理士以外がそれをやると法律(税理士法)により罰せられることがあります。 
個人的には、クライアントがマイナンバーカードを持っていれば、e-taxでデータを取り寄せてもらう…というのが一番早いのではなかろうかと思っています。 
紙媒体の納税証明書が必要になることも減ってきていますから、納税証明書が必要となる申請の前に取り寄せていただいて、そのデータを共有してもらって使えば良いことが多いです。 

クライアントが電子証明書等をお持ちでないときにはパターンAまたはパターンBのやり方で申請を進められるよう、事前に準備をしておくと焦らずに済みます。 
 

4. 立て替えや支払いのストレスを減らす 

都税側は、証明等の申請でキャッシュレス決済を導入していて、クレジットカードやPayPayが使えます。証明書受取窓口の後ろに食券の販売機みたいなものがあって、そこで決済できちゃうんです。 

納税証明書に限らず、事務手数料や実費は報酬とは別に請求する場合が多いと思います。財布の中をレシートや領収書でパンパンにするよりは、業務用のクレジットカードを用意してそれで決済を全部やってしまう方が清算しやすくなります。 

何より確定申告するときにすごく楽で、クライアント別の売上単価の割合も計算しやすいです。細かいところではありますが、こういう癖をつけることでレシートの掃除をする時間が省けますから、意外と大事です。 

まとめ:試験に出ない基礎で差が出る、行政書士のDX 

窓口で長く待った時間は、売上にならない空費された時間です。行政書士側の非効率を、クライアントに転嫁する形はデジタル社会の対応の真逆に位置します。 

今回題材として出した納税証明書と委任状は、「デジタル社会の対応」の入り口にいるものです。許認可の現場では頻出で、且つクライアント対応の質が出ます。ここを疎かにすると、いくらアプリが作れたとしても意味がないのだということを、内省の意味も込めて書いています。 
税務署窓口の受付時間見直しも踏まえると、窓口前提の運用はさらに組みにくくなります。 

行政書士のデジタル化は、「最新ツールを使うこと」よりも先に、 移動・待ち・立替・手戻りを減らして、クライアントとのやり取りを滑らかにすること。 実務DXは基礎的な部分から始まっています。この辺りのこと「ちょっと聞きづらいし、知識が怪しいかも…」と感じた方は、ぜひ窓口でプロに聞くなり、信頼できる諸先輩方に聞くなりして、確実にものにすることをお勧めします。

そして、基礎が大事と話しつつ、最新ツールの便利さも侮れません。
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