今年の1月、Knowledge Cross(通称ナレクロ)の会で「行政書士としてのDXの活かし方」についてお話させていただきました。ナレクロは、私が行政書士を開業して間もなく参加した士業勉強会です。
今回はそこでお話した内容について、かいつまんでお話をさせていただきたいと思います。
士業勉強会「ナレッジクロス」についてはこちら
https://note.com/knowledge_cross/n/nf2a068ffbcfe
参加すると、今までのすべての会の内容をアーカイブで見ることができます✨
DXとは?行政書士が伝えたい本当の意味
DXは単なるITツールの導入ではありません。これが私がまず強調したい点です。
デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、組織やビジネスモデルそのものを変革し、競争優位性を確立する取り組みなんです。特に日本の中小企業では、DXの必要性は理解していても「どこから始めればいいの?」と悩む経営者の方々が多いと感じています。
私が行政書士として様々な中小企業のDX支援を行う中で、企業経営者が抱える共通の課題を解決し、具体的なアクションプランを提供することの重要性を日々実感しています。
だからこそ、難しいことと思わず、一歩ずつ着実に進めていくお手伝いをしています。
日本におけるDX推進の背景
DXが必要な理由
では、なぜ今、DXが求められているのでしょうか?それには明確な3つ理由があります。
- 労働人口の減少:少子高齢化により人材不足が深刻化し、限られた人材で最大の効果を出すために生産性向上が急務となっています。
- 経済産業省の警告:2025年までにDXが進まなければ、日本経済に年間最大12兆円の損失が発生する可能性があると指摘されています(いわゆる「2025年の崖」問題)。
- 日本の生産性の低さ:OECD諸国と比較して日本の労働生産性は著しく低く、DXによる改善が急務です。
このような背景から、政府も「デジタル庁」を設立するなど、国を挙げてDXを推進しています。私たちも潮流に乗り遅れないようにしなければなりません。間違えないようにしたいのですが、この流れは日本の古き良き文化を壊すものではなく、これからも続けるために必要な施策なのです。
DX推進の段階
DXは一足飛びに達成できるものではありません。以下の3段階で考えると分かりやすいですよ。
- デジタル化(デジタイゼーション):紙の書類を電子化するなど、アナログをデジタルに置き換える段階。
- デジタル活用(デジタリゼーション):クラウドサービスやITツールを活用して業務効率を向上させる段階。
- ビジネス変革(DX):デジタル技術を活用し、新しい顧客体験や新しいビジネスモデルを確立する段階。
多くの中小企業は現在、段階1〜2のあたりにいると思います。段階3に進むことで、真のDXが実現します。焦らず一歩ずつ進めていくことで、ホップステップジャンプと、大きな跳躍を行うことができるのです。
行政書士が支援するDXの具体例
建設業・物流業におけるDX

私が支援している建設業・物流業は、慢性的な人手不足が叫ばれています。そのような業界を支えるDXの事例として、次のようなものが挙げられます。
- ドローンを活用した測量・監視:人手をかけずに広範囲の測量や工事進捗確認が可能になります。
- BIM(Building Information Modeling)の導入:3Dモデルを活用して設計・施工の効率化やミス防止ができます。
- ICT施工技術の活用:GPSを利用した建機の自動制御などにより、熟練工不足を補い精度向上が図れます。
これらの技術導入により、作業効率向上だけでなく、若手人材の確保や安全性向上にもつながっています。人手不足から教育体制が整わず、被害を受けるその前に、ITで出来ることを探していくことは、BCP(事業継続計画)にもつながります。
行政書士業務のDX

私たち行政書士自身もDXを推進することで、お客様へのサービス向上を図っています。
- オンライン相談・契約の導入:遠方のお客様とも気軽に相談・契約ができるようになりました。災害時支援や夜間対応など、急務でも安全に行うことが出来ます。
- RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)による書類作成の自動化:定型的な書類作成を自動化し、より付加価値の高い業務に時間を使えるようになりました。
- 顧客管理システム(CRM)の活用:お客様の情報を一元管理し、きめ細かなサービス提供が可能になっています。
私自身、これらのDXにより業務効率が格段に向上し、より多くのお客様のサポートができるようになりました。小さな一歩でも、積み重ねることで大きな変化につながります。
DX推進に役立つツール
では具体的にどんなツールを使えばいいのか?というご質問をよくいただきます。
以下に、比較的導入しやすく効果の高いツールをご紹介します。
- Microsoft PowerPlatform:AIによる文書作成支援や、ローコードによる業務効率化に活用できます。
- Notion:情報整理・タスク管理が直感的にできる優れたツールです。
- Figma、Canva、Googleスライド:専門知識がなくても、プロ級のデザイン・プレゼン資料が作成できます。
- ChatGPT:定型的な業務の自動化や文章生成に活用できます。
- Perplexity AI:最新の情報収集や調査業務の効率化に役立ちます。
これらは私が実際に使っているツールで、どれも無料プランや低コストで始められるものばかりです。
まずは「試してみる」ことで効果測定を行い、続けていきやすいツールをお勧めしています。
DX推進の成功ポイント
DXを成功させるために、私が特に重要だと考えるポイントをお伝えします。
- 明確な目標設定:「とりあえずDX」ではなく、DXによって何を達成したいのかを明確にしましょう。
- スモールスタート:いきなり大規模な改革を行うのではなく、小さな成功事例を積み重ねることが大切です。
- 経営層のコミットメント:経営者自らがDXを理解し、従業員と一緒に推進する姿勢が成功の鍵です。
- DX人材の育成:デジタルスキル標準を活用し、社内人材のリスキリング(スキル再開発)を進めましょう。
- 外部専門家との連携:行政書士やITコンサルタントと連携し、適切な支援を受けることで、効率的にDXを進められます。
特に「スモールスタート」は重要です。小さな成功体験が次のステップへの自信につながります。私のクライアント様の事例でも、まずは一部の業務からデジタル化し、効果を実感した上で他の領域に展開するというアプローチで成功している事例が多いです。
「デジタル化する部分はどこなのか」を、一緒に考えてみませんか?
日本のDX推進の課題と解決策
日本の中小企業がDXを進める上での課題と、その解決策を考えてみましょう。
- リテラシー不足:ITスキルを持つ人材が少なく、社内でDXを推進できる人がいない。
- 解決策:GoogleデジタルワークショップやYouTubeの学習プラットフォームなど、無料のオンライン研修を活用しましょう。
- 投資への不安:DXの費用対効果が分からず、投資に踏み切れない。
- 解決策:スモールスタートでROI(投資対効果)を測定し、成果を可視化することが大切です。
- 組織文化の抵抗:「今までのやり方で十分」という意識が根強い。
- 解決策:身近な企業のDX成功事例を共有し、従業員の理解を深めることから始めましょう。
これらの課題は私のクライアントでもよく見られるものです。一つひとつ丁寧に解決していくことで、DXへの道が開けてきます。
行政書士がDX支援でできること
私たちIT行政書士は、企業のDX推進を以下のようにサポートします。
- 補助金・助成金の活用支援
- IT導入補助金や事業再構築補助金の申請サポートを行います。大きな補助金が受けられるケースもあり、必要に応じて活用していくことで事業継続力を強めます。
- 契約のデジタル化支援
- 電子契約システム(クラウドサイン、DocuSignなど)の導入支援を行います。印紙税の節約にもなりますし、契約業務の効率化が図れます。
- 業務効率化のコンサルティング
- 業務フローの見直しからRPA・AIの導入サポートまで、一気通貫でサポートします。
- ITツールの活用支援
- Microsoft 365やGoogle Workspaceなどの導入・運用サポートを行います。特に導入後の定着化支援や、実業務との結び付けが重要です。
わからないことがあれば、いつでもご相談くださいね。コンタクトフォームよりご連絡いただければと思います。
DXは一部の企業だけのものではない
DXは決して大企業だけのものではありません。むしろ、意思決定が速い中小企業こそ、DXの恩恵を受けやすいと私は考えています。
私はIT行政書士として、DXを単なるトレンドではなく、「企業の生存戦略」として位置付け、中小企業のDX推進を全力でサポートしていきます。
「うちの会社にもDXが必要かも」と少しでも思われた方は、ぜひお気軽にご相談ください。一緒に、貴社の未来を切り拓いていきましょう!
今回お話した内容のnoteは下記URLからご覧いただけます。
Knowledge Crossに参加すると、今までに登壇されている各士業の先生方の最新ナレッジをアーカイブで聞くことが出来ちゃいます♪
https://note.com/knowledge_cross/n/nbfab656401fa?sub_rt=share_pb
イメージキャラクターのナレクロちゃんは、ご縁があって私が手掛けました。
そのお話は次の機会に😊
