副業のすすめ:ITと行政書士の兼業から見える可能性とこれからの展望

はじめに

最近、「行政書士 副業」で検索して私のHPに訪れる方が増えてきました。特に最初の記事が読まれているようです。
行政書士試験に合格したからといって、すぐに事務所を開業する人は少ないのではないでしょうか。私自身も合格後、新型コロナウイルスの影響もあって数年間は開業を見送り、行政書士の求人も探してみましたが、なかなか条件に合うところがなく悩んでいた時期がありました。

この記事では、なぜ私が行政書士として開業し、ITエンジニアとしての仕事を続けているのか、経緯や経験談を交えてお伝えしたいと思います。行政書士資格を取得された皆さんが、資格を活かすための足がかりとなる情報を提供できればと思います。

副業としての行政書士

私が行政書士として開業を決断した理由は大きく2つあります。第一に、士業は定年がなく、自分のペースでビジネスを続けられる点です。第二に、場所や時間にとらわれずに仕事ができることです。

パートナーと一緒に一生食べていける手段を考えたとき、体力があるうちに開業する方が良いと判断しました。実際に開業して1年経ち、士業の業務や交流が増えてきたことから、この判断は正しかったと感じています。

自明の理ではありますが、開業1年目は士業単体での収入の確立が難しく、他での収入がある方が、余裕を持って勉強や経営に集中できると感じました。そのための副業ではありましたが、勉強しながら会社員として働いていると、士業に関連する情報を得る機会も増え、ネットワークが広がるというメリットもありました。

その恩恵の反面、副業として行政書士を目指す上で問題となるのは、そもそも会社が副業を許可してくれるかどうか、そして士業の勉強会や業務とのスケジュール調整をどうするか、という点だと思います。勉強会の開催も、役所の窓口も、基本的には平日です。上司に年休や早退の連絡をしなければならないため、度々となると会社にとっても自分にとっても良い状態とは言えません。

副業をする場合は、働きやすさを相手に求めるだけではなく、自分で作り出すことも必要だと思っています。そこで、私はまず社内で成果を出すことに専念しました。新しいDXのスキルを磨き、社内のDXを推進し、自分が副業をしやすい環境を整えました。また、セミナーや勉強会はオンライン中心で参加し、オフラインのものは週末に参加するよう工夫しました。法律関係の仕事をしていない場合、新人のうちに士業の先生方と交流することは非常に有益で、自分の専門分野への考えを改めるきっかけになります。

開業したことで気付けた自分の苦手

恥ずかしいことに、私は行政書士になった後のビジョンも、営業やマーケティングの知識も乏しく、「自分の商品を売る」という難しさを初めて知りました。慌てて経営者向けの本を読んだり、「Nontitle」を見たり。これは開業してからやることではないな、と反省しました。こういう時、副業で良かったと思います。なぜなら会社に行けば、その道のプロがいるからです。
それでも自分を売り込むのが下手、という場合は、AIを使えば大抵自分のことを持ち上げていい感じに説明してくれます。

ChatGPTによる太鼓持ち営業の結果

現在の状況と将来のビジョン

私は現在、ITエンジニアとして働きながら行政書士としても活動していますが、両立する中で、業務の内容や将来のビジョンが少しずつ明確になってきています。

たとえば、窓口の関係で平日に動かなければいけない車庫証明や公正証書作成をメインにすることは、会社員としてのスケジュールとの兼ね合いから難しいと感じています。一方で、オンラインのやりとりに慣れた企業様や個人事業主の方には、夜にZoomで打ち合わせできることが大変重宝されています。このように、平日の昼に限らず柔軟に仕事ができる点は、行政書士業務を行う上での大きなメリットと感じています。

また、労働安全衛生法に基づく「第14次労働災害防止計画」が2023 年度を初年度として、5年間にわたり国、事業者、労働者等の関係者が目指す目標や重点的に取り組むべき事項を定められており、建設業界では自律飛行ドローンを活用したDXが加速しています。完全無人巡回による工事進捗管理や高所撮影の機械化、施工管理のリモート化により、建設業許可とDXはセットであることがマストとなる日も近いと予測しています。このような状況の中で、私はITスキルを活かし、建設業界のDX支援を強化していきたいと考えています。

さらに、建設業だけでなく、運送業や他の業界でも、社員の健全な労働管理が重要視されるようになっています。特に、中小企業などで高価なCRMツールを導入することが難しい場合、安価で効果的なDXソリューションを提供できるスキルを持つことで、他と差別化した価値を提供することができます。これらの取り組みを通じて、私は行政書士としての専門性を高めつつ、ITエンジニアとしての経験を活かし、より多くの企業や個人に貢献できるよう努力していきたいと考えるようになりました。

自分の強み(カード)を持つこと

とある先生が「士業の資格はただの手段であって、自分のやりたい仕事をやるだけ」とおっしゃっていました。その言葉を聞いて、私は「行政書士として何ができるか」ばかりを考えていたことに気づかされました。士業はスペシャリストであるから、行政書士として褒められることをしなければ、行政書士でないとできないことをしなければ…という強迫観念があったように思います。

実際に、多くの先生と交流をすると、開業後数年の収入の不安定さに対する懸念は皆様お持ちでしたし、行政書士とは別の事業を持たれており、そちらと連携して業務を行っている先生も多くいらっしゃいました。私も、せっかくITの知識があるのだから、それを活かさない手はないのです。(どちらにせよ、行政書士業務は範囲が広すぎて、スーパーマンでもなければ、新人がすべての業務のスペシャリストになることは難しいでしょう。)

リスクの伴う開業も、副業ならそのリスクを軽減し、安定した収入を得ながら自分のペースで成長できるのが魅力です。開業するか迷われている方は、ぜひ副業を通じて、カード(スキルや経験)を増やし、自分の強みを活かせる分野を見つけることも選択肢の一つとしてみてください。

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